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腸管スピロヘータ

[2022.08.20]

何週間もダラダラと続く下痢の原因に、腸管スピロヘータ症があります。

あまり知られていない病名ですが、きちんと検査をすると腸管スピロヘータ症と診断される方が以外と多いです。

ほんじょう内科で2022年4月~7月の4か月間に、腸管スピロヘータ症と診断した症例が3例ありました。

 

 

スピロヘータとは?

スピロヘータ【ほんじょう内科】

スピロヘータは、細長いらせん状の形をした菌です。

スピロヘータのうち、Brachyspira aalborgi や Brachyspira pilosicoli がヒトの腸管に感染すると腸管スピロヘータ症を引き起こします。

Brachyspira pilosicoli はヒトのほか、犬や鳥、マウスに感染することがあります。

スピロヘータは感染した動物の便に汚染した手や食品を介して口から感染します。このため家族や屋内で飼育しているペットから感染する可能性があります。

スピロヘータは、何か月もダラダラと長く続く下痢を引き起こします。

 

 

腸管スピロヘータ症の診断

腸管スピロヘータ症の多くは、大腸カメラで特徴的な所見がありません。

腸管粘膜のわずかな浮腫や発赤といった内視鏡所見がみられることもあります。

大腸カメラでは異常をがない場合でも、下痢が長引いている場合は腸管スピロヘータ症の可能性を考えて、組織を採取し顕微鏡検査に提出します。

顕微鏡検査では大腸粘膜の表面にスピロヘータがびっしり付着している様子がみられます。

腸管スピロヘータの大腸カメラ画像【ほんじょう内科】

 

スピロヘータは培地での発育がとても遅いため、便培養検査ではめったに検出できません。

ずっと長いこと下痢が続いているので、大腸カメラを受けたら、「大腸粘膜には異常がなので、下痢型過敏性腸症候群です」と診断されている方の中には、腸管スピロヘータ症が隠れている場合があります。

 

腸管スピロヘータ症の治療

腸管スピロヘータ症では、メトロニダゾールという抗菌薬を10日間服用します。

治療開始後すぐに下痢が良くなる方が多いです。

治療中は飲酒を控えてください。

メトロニダゾールはワーファリンなどのほかの薬の効果に影響を及ぼす場合があるため、治療を受ける際はお薬手帳を医師に見せてください。

 

 消化器病専門医・消化器内視鏡専門医

 肝臓専門医・総合内科専門医 

 本城信吾 院長

 

 

 

南北線南平岸駅から徒歩6分、リードタウン平岸ベースにある消化器内科

ほんじょう内科

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