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2023年12月の胃カメラ・大腸カメラ~できるの?膵臓癌の早期発見!

[2023.12.27]

 

今年も一年ありがとうございました。

ほんじょう内科を開業してから2回目の年末を迎えることとなりました。

「消化器癌で苦しむ方を減らしたい」との思いを胸に日々の診療にあたってきました。私たちだけの力は微力ですが、地域の医療機関と力を合わせてこれからも頑張っていきます。

来年もほんじょう内科をよろしくお願いいたします。

 

12月の消化器内視鏡実績

12月のほんじょう内科の内視鏡実績は、胃カメラが113件、大腸カメラが63件でした。

2023年1~12月の1年間の内視鏡検査総数は、胃カメラ1216件、大腸カメラ657件になりました。札幌市内のクリニックの中にはこの2倍以上の内視鏡件数を実施されているところもあると聞き及んでいますので、私たちはとりたてて検査件数が多い訳ではありません。ただ、これだけの方たちに信頼していただいて検査を任せていただいているその責任の重さはひしひしと感じます。これからも検査と診断のクオリティを保てるように、スタッフとともに学びと研鑽を続けていきたいです。

例年、秋になると胃カメラ大腸カメラをお受けになる方が多いと感じています。2023年も10月から急に内視鏡検査の予約を多くいただいており、平日でも胃カメラは2週間、大腸カメラは3週間以上お待ちいただいている状況です。ご不便をおかけしておりますが、ひとつひとつの検査を丁寧に行うとお受けできる検査には限りがございます。ご理解の程よろしくお願いいたします。

 

膵臓がんの早期発見

すい臓・ほんじょう内科

膵臓がんの患者さんは増えているが・・・

本邦での膵臓がんの罹患数はこの40年間ずっと増加してきています。しかし、いったん膵臓がんと診断されると根治には至らずに命を落とされる方がとても多い状況が続いています。

その理由の一つが膵臓がんは早期発見されにくい癌であることです。高い確率で治癒が望めるstage0~1で診断される方は全体の1割程度で、根治が望めないstage3~4で発見される方が8割以上です。

私たち消化器病専門医のあいだで膵臓がんの早期発見の難しさは長年の課題です。

膵臓がんは1㎝以下の大きさの「しこり」で見つけると、根治的治療が期待できるため、1cm以下の段階で診断することが理想的と考えられています。しかし一般的な検診の腹部超音波検査では1㎝以下の膵臓がんの「しこり」は30%ほどしか見つけることができません。

造影CT検査は超音波検査で観察しにくい領域を明瞭に映し出すことができます。しかし小さい膵臓がんは「しこり」として映らないことも多く、造影CTで1㎝以下の膵臓がんでは5割程度の発見率とされています。

腹部超音波検査や造影CTで「しこり」が見つからない場合でも、癌の「気配」と思われる間接所見がみられることがあります。「膵管拡張」「膵管途絶」「膵のう胞」「限局性膵萎縮」といった所見が、膵臓がんの存在をうたがう間接所見です。

 

小さい「しこり」は超音波内視鏡!

超音波内視鏡は、小さい「しこり」を最も見つけやすい検査と考えられています。超音波内視鏡は胃カメラの先端にエコープローブがついた検査機器で、胃や十二指腸から超音波を使って膵臓の断層写真を撮影する技術です。

超音波内視鏡が小さい膵臓がんのしこりを見つけるのにはもっとも感度が高いですが、専門的なトレーニングを積んだ専門医にしかできない検査です。

 

「しこり」になる前の粘膜内がんはMRCP

「しこり」を形成する前の粘膜内がんの段階でわずかな兆候をとらえるのはMRCPが優れています。MRCPはMRI(磁気共鳴画像)の機器を用いて膵のう胞や膵管拡張、膵管途絶といった膵臓がんの間接所見をとらえるのに優れています。

 

膵臓がんの原因は?

膵臓癌のリスクとされているのは次のとおりです

  • 糖尿病
  • 慢性膵炎
  • 肥満
  • 多量の飲酒
  • 喫煙
  • 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)
  • 血縁者の膵臓がん

 

できるの?膵臓がんの早期発見!

膵臓がんの診断はやっぱり簡単ではありません。これさえすれば膵臓がんが早期発見できるという検査は現時点ではありません。膵臓がんの発症リスクのある方や健康診断でのう胞や膵管拡張を指摘された方は、腹部超音波検査や造影CTを受けていただき、「膵臓がんの気配」を感じる場合は超音波内視鏡やMRCP検査(超音波内視鏡とMRCP検査は連携医療機関で実施)をおすすめしています。

「気配」がある方に繰り返し検査を受けていただくことで、膵臓がんの早期発見を目指すこころみが尾道市を始めとした日本各地で始まっています。ほんじょう内科も連携医療機関と協力して膵臓がんの早期発見のお手伝いをしたいと願っています。

 

南平岸の消化器内科・胃カメラ・大腸内視鏡

ほんじょう内科

院長 本城信吾

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