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胃アニサキス症

アニサキスとは

アニサキスは,アニサキス亜科の線虫の総称です。最もよく見るAnisakis simplexのほかに、大きめのPseudoterranove decipiensなどいくつかの種類があるそうです。アニサキスは肉眼でも確認できる大きさがあり、白色で長さ2~3cm、太さ0.5~1mmの糸状の生き物です。

アニサキスの成虫はイルカやクジラのお腹にいます。成虫が産んだ卵は第1期幼虫から第2期幼虫となり、オキアミに食べられます。このオキアミを魚が食べると魚の内臓にアニサキスの幼虫が住み着き第3期幼虫となります。

アニサキス第3期幼虫は魚が水揚げされると、内臓から筋肉(身の部分)に移動します。これを刺身や生寿司など生のままヒトが食べると、アニサキス症を発症します。

アニサキス症の原因になる食品

アニサキス症の原因は刺身や生寿司などの生の魚介類です。

アニサキスは冷凍(-20℃で24時間以上)すると死滅します。また、70℃の加熱または60℃で1分間の加熱でも死滅します。死滅したアニサキスはアニサキス症を引き起こしません。(2021年に日本の水産加工会社が、お刺身の食味を落とすことなく電気ショックでアニサキスを死滅させる技術と開発したとのニュースがありました。)

アニサキスは塩や醤油では死にません。また酢で締めても死にません。ワサビもアニサキスを殺す効果はありません。したがって、刺身や生寿司のほか、「しめさば」や「イクラの醤油漬け」もアニサキス症を起こすことがあります。

アニサキスはほとんどすべての魚とイカに住み着いています。なかでも、サバ、アジ、イワシ、サンマ、サケ、ホッケ、タラ、サケ、マス、ニシン、カレイ、マイカ、ヤリイカに多くみられます。

アニサキス症は、生きたアニサキスが原因となるので、「鮮度の良さ」はむしろあだになる場合があります。あるアニサキス症になった方に詳しくお話しを聞くと「朝に釣ったばかりの魚を、その日の夕に刺身にして食べたら、その晩からお腹の激痛が始まった。」とおっしゃっていました。

-20℃でアニサキスは死滅するので、一度冷凍して解凍されたお刺身はアニサキス症を引き起こしません。

アニサキス症の症状

半数以上の方が原因の食品を食べてから7時間以内に腹痛を自覚し、24時間以内に95%が発症します。腹痛は30分から1時間おきに強くなったり弱くなったりすることが多く、救急車を呼びたくなるような激痛であることも少なくないです。
まれに数日経ってから発症することがあります。
無症状のままで、健康診断や人間ドックで胃カメラを受けた際に偶然見つかる場合があり、緩和型アニサキス症と呼ばれています。
発熱や、じん麻疹、血圧低下、呼吸困難などのアレルギー症状が出現することもあります。

9割以上のアニサキス症は、胃の壁にアニサキス幼虫が刺さり込む「胃アニサキス症」ですが、まれに十二指腸から小腸、大腸にアニサキスが刺さることがあります。

アニサキス症の診断

問診からアニサキス症を疑った場合は胃カメラ検査を行います。胃カメラでは、アニサキス幼虫が胃の壁に刺さりこんでいるのが確認できます。

最後に食事をとってから少ししか時間が経っていない場合はすぐに胃カメラができません。このような場合には、まず点滴や飲み薬で腹痛や嘔吐の症状を和らげ、半日~1日後に胃カメラ検査を行います。抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、副腎皮質ステロイド薬などの薬は、アニサキス症の症状を和らげる効果があります。

他の病気を鑑別診断するため血液検査や腹部エコー検査を行うことが多いです。

アニサキス症の診断

アニサキスの根本治療は「胃カメラで刺さっているアニサキスを引っこ抜いて回収する」ことです。「内視鏡的食道及び胃内異物除去術」という内視鏡手術になります。通常、保険3割自己負担の場合1万円強の費用がかかります。アニサキスは1匹だけのこともあれば、2~3匹同時に見つかることもあります。

まとめ

  • 魚介類を生で食べた後の腹痛は、アニサキス症の可能性があります。
  • 冷凍や加熱調理は安心ですが、酢締め、醤油漬けは危険です。
  • アニサキス症が疑わしいと思ったら、食事を摂らずに受診してください。
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