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大腸カメラは何年ごと?

大腸カメラ検査は何年ごとに受ければいいの?

便潜血?大腸カメラ?

 

大腸カメラって準備はつらいし、恥ずかしいし、時間もとられるので、よっぽど調子が悪くなければ受けたくないと思いますよね。でも、「大腸癌はかかる方は年々増えており日本人の罹る癌のなかで一番多くなっています。」と聞くとやっぱり心配だし、症状がなくても定期的に検診を受けなくちゃとも思いますよね。では、何歳から癌検診を受け始めるたらいいでしょうか?そして何年ごとに大腸検査を受けたらいいのでしょうか?

 

 

大腸がん検診を受け始める年齢は?

大腸がんの好発年齢は50歳以降です。しかし30歳台での大腸がん発癌も稀ながらあります。

札幌市の大腸がん検診(便潜血検査)の対象年齢は40歳以上となっています。

40歳になったら、一度大腸カメラをうけてみましょう。

40歳になったら、一回大腸カメラを受けてみることを私はおススメします。その理由は3つあります。

第一に、大腸カメラを受けてポリープの有無を診断してもらえば、その後の定期検査の間隔を適切に決めることができます。

次に、ポリープがあった場合には癌になる前に切除してもらうことで将来の大腸癌を予防できるからです。大腸がんのおよそ7割はポリープから発生することがわかっています。

最後に、40~50歳台の働き盛りで家庭を支えている方が、大腸癌で仕事や家族との時間を失うことはとても悲しいことだからです。

 

大腸カメラは何年ごと?

最初の大腸カメラ検査で異常がなかった方

大腸癌の多くは大腸ポリープが大きくなり、ポリープの一部が癌にかわって、最終的に全体が癌になるといわれています。ポリープができてから癌に変わるまでには平均10年かかります。このため、米国での研究では「初回の大腸カメラで異常がなかった場合、5から10年後に再検査を受けることを推奨する」とされています。
ところが「1回の大腸カメラ検査で22%の大腸ポリープが見逃されている」と報告した研究もあります。大腸は複雑な曲がりと特徴的なヒダのため内視鏡で見にくい部位がたくさんあります。私も含め消化器内視鏡専門医はそのことを熟知したうえで慎重に時間をかけて観察しますが、1回だけの大腸カメラでは10~20%のポリープが見落とされている可能性があるのが事実です。
この事実を考慮すると早期発見・早期治療を確実にしていくには、5から10年ごとの検査では間隔が長すぎではないでしょうか。ほんじょう内科では、内視鏡で異常がみつからなかった場合でも3年毎の大腸カメラをおすすめしています。

最初の大腸カメラ検査で大腸ポリープが見つかった方

大腸ポリープにはいくつかの種類があります。将来癌にならない良性ポリープに「過形成性ポリープ」があります。一方で、将来の癌化リスクがある良性ポリープには「腺腫性ポリープ」があります。少しでも癌化のリスクのあるポリープは内視鏡で切除することによって、大腸癌のリスクを約70%減少させるとされています。
大腸ポリープがあって切除した場合は1年後の再検査をお勧めします。大腸ポリープが複数あり、一度の内視鏡で全て取り除くことができなかった場合は、その3から6か月後に再度大腸カメラを計画します。
大腸ポリープをすべて取って、その1年後の大腸カメラ検査で異常なしとされたら、3年ごとに間隔を伸ばします。

大腸癌を治療した方

ひとつの癌が広がったのでなくそれぞれ別の場所に別の癌ができたものを重複癌といいます。大腸がんにはこの重複癌が多く3%~6.2%に重複癌がみられます。重複癌は同時にみつかる「同時性重複癌」場合もありますが、何年かして全く別の部位に新しい癌がみつかる「異時性重複癌」のこともあります。過去に私が経験した症例で大腸癌の外科手術を2回、内視鏡治療を4回受けられた方がいました。このため1度でも大腸癌を治療したことのある方は、より注意が必要となります。大腸がんを治療した方は1年ごとの大腸カメラをお勧めします。

便潜血検査だけでOK?

毎年便潜血検査を受けていれば大丈夫かというと、YesでもありNoでもあります。
便潜血検査の感度(病気を持っている方を「病気あり」と診断できる割合)は進行がんでは90%以上、早期がんでは約50%といわれています。逆に言うと1回の便潜血検査では数%の進行がんと半数の早期がんが見落とされることになります。このため2日分の便潜血検査を1セットとして提出する二日法が勧められています。
では、便潜血検査で将来癌になる可能性が高い「危ないポリープ」はどの程度見つかるのでしょう。「危ないポリープ」は次のような特徴があります。

  • 1cm以上の大きさがある。
  • 病理検査で絨毛成分といわれる変化がある。
  • 高度異型(良性ポリープだが顕微鏡で観察すると癌に似た形態)

これらの特徴をもった「危ないポリープ」が便潜血検査で指摘される割合は29.2%です。逆に言うと便潜血検査だけではおよそ7割の「危ないポリープ」つまり前癌病変が見逃されてしまいます。

「危ないポリープ」は日帰り内視鏡手術で治療が可能ですが、大腸がんに進行してからの治療だと開腹手術や抗癌剤治療を受けなくてはならなくなることもあり、長期間の通院や入院治療を余儀なくされます。このため癌になる前の「危ないポリープ」のうちに治療を済ませていただきたいです。

40歳を超えた方は便潜血検査だけでなく大腸カメラ検査を受けてみてはいかがでしょうか。

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 消化器病専門医・消化器内視鏡専門医

 肝臓専門医・総合内科専門医 

 本城信吾 院長

 

 

 

南北線南平岸駅から徒歩6分、リードタウン平岸ベースにある消化器内科

ほんじょう内科

北海道札幌市豊平区平岸1条12丁目1番30号 メディカルスクエア南平岸2F

TEL:011-595-8261

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