2024年9月の胃カメラ/大腸内視鏡の実績
9月の検査実績
2024年9月の胃カメラ
9月のほんじょう内科の胃カメラは108件でした。
胃腺腫
胃カメラ検査で早期胃がんの可能性がある小さい病変を見つけて生検をした場合、「胃腺腫」と病理診断されることがあります。
生検は病変の一部分の組織を採取して顕微鏡検査を行うことを言います。
顕微鏡検査を行う専門の医師のことを「病理医」と呼びます。
生検は、私たち「消化器内視鏡医」が組織を採取し、「病理医」がその組織を詳しく調べて癌や良性腫瘍、炎症、感染症を診断するものです。
胃腺腫は良性の病変で癌ではありません。
しかし、生検で「胃腺腫」の診断とされた場合は油断ができません。なぜなら、生検で「胃腺腫」と診断された病変の全体を切除してあらためて顕微鏡検査に提出すると、そのうちの20~50%程度に癌組織が見つかるからです。
2024年9月の大腸内視鏡
大腸カメラは57件でした。
自費検診
当院では開院した2022年以来、北海道循環器病院の予防医学センターからご依頼を受けて自費検診としての胃カメラ大腸カメラを行っています。
開院から3年目を迎え、複数回当院の内視鏡検査を受けに来てくださる方も増えています。
胃がん、大腸がんを早期に発見して治療に繋げるためには、定期的な検査が重要です。
当院で定期検診を受けられている方が、安心して次の一年間を過ごすことができるよう丁寧な検査を心がけていきたいです。
超音波検査とミルクティー
最近ふたたびSNSで、ミルクティーを飲んで行う超音波検査が話題です。
膵臓を超音波で観察する際に、胃や十二指腸の中のガスが邪魔をします。
そのため膵臓は通常の超音波検査で観察が難しいことがあります。
胃や十二指腸の中のガスを液体に置き換えると、超音波で膵臓がとても見えやすくなります。
置き換える液体は通常「水」を使用するので「飲水法」と呼ばれています。
検査前あるいは検査の途中で患者さんに水300~500mlを飲んでいただきます。
膵臓がより観察しやすくするため「水」の代わりに「ミルクティー」を使用している医療施設があります。
ミルクティーは午後の紅茶の缶かホット用ペットボトルが良いそうです。
空気を一緒に飲み込まないよう太いストローを使って飲みます。
私も勤務医時代にミルクティーを使って膵臓の超音波検査を行っていたことがあります。
確かに膵臓がはっきり観察できるようになり病変を見つけやすくなりました。
ミルクティーには糖と脂肪が絶妙なバランスで含まれているので、超音波が通りやすく膵臓の観察を容易にしてくれるようです。
一方で、ミルクティーは牛乳の食物アレルギーを持っている方には使用できません。
また、ミルクティーには糖が含まれるで、糖尿病で血糖コントロールが悪い方には使いにくいです。
一長一短はあるものの、飲水法とミルクティー法はどちらも身近な飲み物で検査の精度を高める良い方法ですね。