胃カメラで麻酔を使うメリット×デメリット
麻酔を使う胃カメラのメリット
楽に内視鏡検査を受けられる
麻酔薬を使用すると胃カメラの苦痛を最小限にできます。
苦痛なく検査が終えられると、次にまた検査を受けることへの心理的なハードルが下がり、「また検査を受けてもいいかな」という気持ちなります。
定期的に繰り返し胃がん内視鏡検診を受けると、胃がんの早期発見につながります。
一方、苦しい内視鏡検査を受けた場合には「二度と胃カメラを受けたくない」という気持ちになり、胃がん検診から足が遠のいて早期発見の機会を失うことになりかねません。
検査の苦痛がなく病気が見つからなかった場合は、二重の安心が得られます。
咽頭反射が起きにくい
静脈麻酔薬にはオエッとなる咽頭反射を起こりにくくする作用があります。
何度も咽頭反射を繰り返すと食道下部から胃噴門にかけて粘膜に裂創ができることがあり、マロリー・ワイス症候群と呼ばれています。麻酔で咽頭反射を抑えることでこの合併症を起こしにくくします。
また、検査中に患者さんがオエッオエッしているより、落ち着いた状態でいるほうが短時間で正確な検査を行えます。
私たち内視鏡医は、「わずかな病気の所見も見逃さないように丁寧に検査をしよう」という気持ちで毎回検査に臨んでいます。しかし検査中に患者さんがオエッオエッと苦しそうにしていると、「早く検査を終えてあげなくては」という気持ちが優勢になり観察がにおろそかになりやすいです。
麻酔を使う胃カメラのデメリット
少し時間がかかる
点滴を刺したり抜いたり検査後に休んだりするので、麻酔を使わない時に比べ少し時間がかかります。
麻酔薬の副作用
静脈麻酔薬には眠たくなる作用のほかに、脈が遅くなり血圧が下がる循環抑制、呼吸が弱くなる呼吸抑制といった副作用があります。
ほんじょう内科では検査中の血圧、酸素飽和度を生体モニターで連続的に監視し、万が一の場合にはすぐに対処できるような準備をしています。
麻酔薬の使用に関連するトラブルに対処するスペシャリストが麻酔科医です。私には4年間麻酔科医をしていた経験があります。
「がっちり寝かせてください」と言われても…
麻酔薬を使って胃カメラ検査を受けた方の7割以上は、寝ている間に検査が終わっていたと感じますが、1-2割程度の方は「検査中は起きていたけど苦しくなかった」という感想をおっしゃられます。
麻酔薬を使用して苦痛を最小限にすることは重要なことではありますが、安全な検査を行うことが最優先です。「寝ている間に検査が終わる」ことを求めすぎると麻酔薬の副作用を引き起こすリスクがあります。
ほんじょう内科は、麻酔科医の経験があるからこそ「がっちり寝かせて」をお約束することはありません。
麻酔を使う?使わない?で迷ったら
胃カメラは、多くの方にとって苦痛を伴う検査です。しかし10%程度、胃カメラが平気な方もいます。麻酔なしの胃カメラでも平気な方には静脈麻酔は必要ないでしょう。
消化器病専門医・消化器内視鏡専門医
肝臓専門医・総合内科専門医
本城信吾 院長
南北線南平岸駅から徒歩6分、リードタウン平岸ベースにある消化器内科
ほんじょう内科
北海道札幌市豊平区平岸1条12丁目1番30号 メディカルスクエア南平岸2F
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