大腸ポリープを切除するとどう変わる?
大腸ポリープを切除するとどう変わる?
~将来のがんリスクを減らす大切な一歩~
はじめに
みなさんは「大腸ポリープ」と聞くと、どのようなイメージをお持ちですか?ご家族やご友人から、「健康診断で『便潜血陽性』を指摘されたので、大腸内視鏡を受けたらポリープが見つかっちゃって。でも、その場で先生がポリープを取ってくれたんだ。」という話を耳にすることも多いと思います。
ポリープがあると言われると、少し不安になりますよね。しかし、きちんと切除することで、将来の大腸がんを予防できることがわかっています。今回は、「大腸ポリープを切除するとどれだけ大腸がんのリスクが減るのか」について、わかりやすくお話しします。
大腸ポリープはがんの芽?
大腸ポリープは、大腸の粘膜にできる小さな「いぼ」のような隆起物です。すべてのポリープががんになるわけではありませんが、その中には「腺腫性ポリープ」という、将来的にがんに育つ可能性のあるタイプがあります。

たとえるなら、畑に生えてくる雑草の中に、いずれ大きく根を張って周囲を荒らすものが混ざっているようなイメージです。腺腫性ポリープは、時間をかけて少しずつ大きくなり、数年から10年以上かけてがんに変化することがあります。
切除の意義 ~早期の一手が未来を守る~
では、どうしてポリープを切除する必要があるのでしょうか。その理由はとてもシンプルです。
**「がんに変わる前に取る」**これが最大の目的です。
大腸がんは日本人に多いがんの一つで、2020年の統計ではがんによる死亡原因の第2位でした(※1)。しかし、腺腫性ポリープの段階で切除すれば、がんの芽を摘むことができるのです。
内視鏡で切除する方法は、体への負担が比較的少なく、ほとんどの場合は日帰りで終わります。大きさや形によっては入院が必要な場合もありますが、がんが進行してからの手術や治療に比べると、圧倒的に体への影響は小さいです。
実際にどのくらい大腸がんリスクが減る?
ここが一番気になるところだと思います。
実は、腺腫性ポリープを切除すると、将来の大腸がんの発症リスクが60~70%減ることが、多くの研究で示されています。
有名な「National Polyp Study」(米国)では、ポリープを切除したグループは、切除しなかった過去の対照群に比べて、大腸がんの発症が約76%減少し、死亡率も減少することが報告されました(※2)。
つまり、ポリープを見つけて切除することは、大腸がん予防の最も効果的な対策の一つと言えます。
切除後も油断は禁物
一度ポリープを切除しても、再び新しいポリープができることがあります。そのため、切除後は定期的な内視鏡検査が推奨されます。大きさや数、組織型によって、再検査の時期が異なりますが、一般的には1~3年後を目安に再検査が必要です。
また、食生活や運動習慣も大腸がんリスクに影響します。動物性脂肪や赤身肉を控えめにし、野菜や食物繊維を多くとること、適度な運動を心がけることが大切です。
最後に
「ポリープが見つかったらどうしよう」と不安になるお気持ちはよくわかります。しかし、きちんと切除して定期的に大腸カメラ検査を受けることで、大腸がんを予防できる可能性が高まります。
当院では、できるだけ苦痛の少ない内視鏡検査を心がけています。気になる症状がある方や、健診で指摘を受けた方は、どうぞ安心してご相談ください。
一歩踏み出すことで、未来の健康を守ることができます。
参考文献
- 国立がん研究センター がん統計 2020年
- Winawer SJ, et al. Prevention of colorectal cancer by colonoscopic polypectomy. N Engl J Med. 1993;329(27):1977-1981.
- 大腸癌研究会編「大腸癌取扱い規約 第9版」

消化器病専門医・消化器内視鏡専門医
肝臓専門医・総合内科専門医
本城信吾 院長
南北線南平岸駅から徒歩6分、リードタウン平岸ベースにある消化器内科
ほんじょう内科
北海道札幌市豊平区平岸1条12丁目1番30号 メディカルスクエア南平岸2F
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